
道源 真結

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世界で急速に広がっているSDGsの輪。今回の記事では、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」をピックアップ。目標達成に向けて積極的に取り組んでいる中特グループの事例を参考に、これからの企業の在り方を考えます。
もくじ
SDGsって?

「Sustainable Development Goals」(持続可能な開発目標)を略して、SDGs。
簡単に言えば、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
よりよい未来のために、家族でどんなことをしたらいい?会社はどうあればいい?
周南市は?山口県は?日本は?そして、どんな世界になれば今よりもよりよい世界になるだろうか?
17の目標と169のターゲットをもとに、世界で様々な取り組みが始まっています。目標5:ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダー平等における日本の現状

▲出典:EduTownSDGs
男女の社会的・文化的な格差を比べた2020年の「ジェンダーギャップ指数」によると、日本は149ヵ国中121位。これは前回の114位からさらに順位を落として、過去最低を更新しました。この順位が教えてくれるのは、社会のなかで男性、女性が平等であるために、日本の社会が解決していかなくてはいけない問題がまだまだたくさんあるということです。
経済・政治・教育・健康の分野で男女の違いを比べたもの。日本は教育、健康の分野では男女平等ですが、労働力、企業の幹部などの男女の割合を比べた経済の分野は世界平均と同じくらい、政治家などの男女比を比べた政治の分野では大幅に女性の数が少なくなっています。
女性の社会進出における山口県の現状
世界的にみて、日本はジェンダー平等が達成されているとは言えず、さらに経済と政治の分野で世界に遅れをとっているという現状が分かりました。では、経済の分野において、全国的にみて山口県は女性の社会進出が進んでいるのでしょうか?

▲出典:お仕事探しマニュアルbyWorkin(2015)
25~44歳の育児をしている女性の有業率をみると、山口県は47都道府県中38位。
残念ながら、山口県は女性の社会進出が進んでいる地域とは言えないのが現状です。しかし、上記のような現状を変えるため、様々な取り組みを実践している企業が山口県にはあります。そのような企業の中から、今回は中特グループの取り組みをご紹介します!
中特グループってどんな会社?

1966年、旧徳山市において一般廃棄物の収集運搬業者として誕生した中特グループ。
以後、時代の流れと共に、1968年に下水道の維持管理業、1973年に産業廃棄物の収集運搬業、1975年に産業廃棄物中間処理業、そして1980年には建設業登録へと発展しました。現在は、6つの会社からなるグループ会社です。
静脈産業の担い手として、地域のお困りごとの解決に日々情熱を燃やしています。
SDGs×中特グループ

なぜ、中特グループがSDGsに積極的に取り組むのか?企画広報室長の吉本妙子さんにお話を伺いました。


では、実際に中特グループではどんなことが実践されているのでしょうか?
取り組み①:スタッフ全員が女性の会社/株式会社ポータルハートサービス
株式会社ポータルハートサービスは、片づけを専門とする会社です。遺品整理、生前整理、引越しの片付け、解体、水回りのトラブル解決など、そのサービス内容は多岐に渡ります。




取り組み②:部署を越えた、女性だけの座談会を実施/ANGネットワーク

ANG=アネゴ
社内の女性メンバーで構成し、結集力・斬新な発想・活性化を図るために活動しています。女性の感性による業務改革を進めて行くネットワークを作り、定期的な会合を持って活動しています。
2019年に開かれたANG座談会にはグループCEOの橋本ふくみ氏をはじめとする6名の女性社員が参加し、以下のような意見が交わされました。
- 「短時間正社員」(通常より1時間遅く出社)として働いているため、子どもを「行ってらっしゃい」と送り出してから出社することができる。すごくありがたい制度だと思う。
- 中特グループは初めて入った会社ですが、正直女性が差別されているとは思いません。むしろ今感じているのは、私は女性としての強みを発揮しようと考えています。
- 私は今の職場で満足しています。昨年、女子更衣室を新しく作って頂いて、十分すぎるくらいです。
- 中特グループは子どもを産んでも働きやすい環境だと思います。皆さん育児をしながら働いているのを見ていて思いますが、有休を平日でも取れているように見受けられます。
最後は、グループCEOである橋本氏のこのような意見で締めくくられています。

その他の取り組み
中特グループでは、女性活躍推進以外にも各方面からSDGsに取り組んでいます。
- 中特アカデミーによる自己成長(4,8)
- 自己・災害の撲滅(8,12)
- 中特チームカイゼン活動(8,9,12)
- 年間売上高(9,12)
- 経営利益率10%超確保(8,12)
- 働き方改革、労働生産性向上(3,8)
- お客様の声収集とクレーム50%削減(9,12)
- 廃棄物受入量の拡大(11,15)
- 再資源化量の拡大(11,12,15)
- 再資源化率アップ(11,12,15)
- 電気使用量原単位の削減(7,13)
- 燃料使用量単位の削減(7,13)
- CSR活動の浸透・CSR検定合格者50人(4,16)
- ボランティア活動への参加(14,15)
- 女性社員比率、女性管理職比率アップ(5)
- 健康経営の確立と健康づくり職場環境整備(3,8)
- リスク管理・BCP見直しと機動的運用確認(11,13)
※()内はSDGsに対応する目標の番号
また、本来廃棄されるはずだった物が持つ特徴や魅力を活用したアート作品のコンテスト「COIL Upcycle Art Contest」が始動。入賞者には賞金も用意されています。みなさん奮ってご応募ください!
「男女平等」なんて言葉のない社会へ


編集後記

〈取材協力〉
中特グループ